2022年07月09日
「クコの実」にはさまざまな健康効果あり 脂肪肝の予防にも効く
7/8(金) 9:06配信
日刊ゲンダイDIGITAL
漢字で「枸杞」と表記されるクコ。一見、馴染みのない食材のように感じますが、杏仁豆腐の上にのっている赤い実、といえばイメージできる方も多いのではないでしょうか。
クコの果実は近年、スーパーフードとして注目を集めています。「ゴジベリー(Gojiberry)」という名でサプリメントやエキスが流通していて、中国などの東アジアが原産で、4000年近い昔から、実、葉、根皮が漢方薬や民間薬、薬膳に用いられてきたようです。日本でも平安時代にはすでにクコを食べる習慣があり、文徳天皇がクコ園を持っていたといわれています。江戸時代、健康志向が高いとされていた徳川家康もクコを好んでいたという記載もあります。
クコの果実は甘く食べやすいので、薬効を意識した食べ方だけでなく、デザートやドライフルーツとして一般的な利用もされていますが、健康効果もさまざま。クコの果実=枸杞子(クコシ)は脂肪肝予防に役立つとされ、根皮=地骨皮(ジコツヒ)や葉=枸杞葉(クコヨウ)は血圧や血糖値の上昇抑制、解熱作用があるため漢方としての利用も見られます。
今回はクコの実にスポットを当てて、どのような栄養素が含まれているのか見てみましょう。
老化、肌トラブルの改善に役立つルチンやタンニンなどのポリフェノール、ビタミンCが豊富に含まれており、抗酸化作用が大変高いです。紫外線や日差しが強いこの時季、夜間における肌のターンオーバーを促進するためにも夜向きの食材といえるでしょう。
また、着目したいのがベタインという成分。脂肪肝の予防効果について先述しましたが、このベタインに脂質代謝を改善する効能があるとされているのです。コレステロール値や中性脂肪を減少させ、心疾患や動脈硬化の予防に役立つ栄養素です。脂質代謝は夜に落ちやすいと報告されていますし、ぜひ、夕食に取り入れてみてはいかがでしょうか。
マウスの実験にはなりますが、クコの実を摂取したあと、脳の海馬における記憶力に関連する酵素の機能がアップして認知機能維持効果があることや、肝障害の指標となるASTやALT、アルカリホスファターゼの上昇が抑制され、肝機能を高める効果も報告されています。スープなどに入れてもおいしいクコの実ですが、熱に弱いビタミンが多く含まれるため、加熱しすぎないように最後に入れるのがいいでしょう。
(古谷彰子/愛国学園短期大学非常勤講師)
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