2020年08月01日
長雨の影響 『土用マツタケ』豊作 一方、絶滅危惧種指定で懸念
今年は「土用マツタケ」と呼ばれる、夏に生えるマツタケがこのところの長雨で豊作です。一方、絶滅危惧種に指定されたことで、関係者から心配の声があがっています。
(記者リポート)
「伊那市の産直に並んでいるのはマツタケ。今年はこの時期に採れるものは豊作だということです」
伊那市の産直市場グリーンファームには、この時期に生える「土用マツタケ」およそ3キロが店頭に並んでいます。
客:
「今年はたくさんある。昨年はそんなになかった。いつもこの時期になると楽しみで」
今年は例年より1週間ほど早く7月上旬から並びはじめました。量も多く、例年の3倍ほど採れているということです。その理由は、このところの天候です。
産直市場グリーンファーム青果部・宮下道久部長:
「雨が続いて水分が山にたっぷりあって、なおかつそんなに気温が上がらずに長い間きているので、今年は例年に比べて非常に多い」
「土用マツタケ」は、秋のマツタケに比べると香りは少ないものの、多くの消費者が、毎年この時期を楽しみにしています。
一方、こちらはマツタケを特産品として売り出している辰野町。30日、マツタケの自然発生を促そうと、町の職員や信大農学部の学生ら20人が参加し、町が所有する林の手入れを行いました。
辰野町職員:
「5年、10年先を踏まえた上で、私たちの地道な作業が未来につながっていくと思うので、これからどんどん(マツタケが)増えていってもらいたい」
町では、マツタケをふるさと納税の返礼品として採用していて、将来の収穫量増加を目指しています。
しかし、近年、松枯れの報告もあり、収穫への影響が危惧されています。そのうえ、先日、国際自然保護連合公表のレッドリストでマツタケが絶滅危惧種に指定されたことで、買い控えや価格の高騰など今後への影響を関係者は懸念しています。
辰野町産業振興課・両角哲也課長補佐:
「(マツタケが)採れる場所が限られてくるのはとても危惧している。今後、流通とかに影響しなければうれしい。今後、どんなことがあってもマツタケの増産を目指して流通量を増やしていきたい」
町は、今後も地道な手入れなどを行い、町の特産品を育てていきたいとしています。
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