2018年11月14日
りんご盗難“去年比13倍”急増のワケは?
青森県で収穫時期を迎えたりんごの大量盗難が相次いでいる。その数、去年の約13倍にもなる1万3000個。いったいなぜ、こんなに増えているのだろうか。
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青森・弘前市のりんご農園には真っ赤に色づいた大ぶりのりんごがなっている。「ふじ」という品種で、あすにも収穫ができる状態だという。生産者にとっては一年の苦労が報われる待望の瞬間。
しかし、りんごの生産者は「もう気が気じゃないというかハラハラしていますよね、毎日」「収穫終わるまで心が休まらないというか」などと話す。
心が休まらないワケ。それはことし青森県内で急増しているりんごの“大量盗難”。
生産者「丹精こめてね、りんごって1年に1度しか収穫できないですし、自分の子供育てるように作っているので。朝とお昼と夕方と全園地見回りするようにして」
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収穫間近に大量に盗まれるというりんご。
警察によると、最初に盗難が発覚したのは先月13日。青森市のりんご園で約800個(6万円相当)がもぎ取られ盗まれた。
そして先月22日、平川市のりんご園では収穫間近のりんご約1700個(18万円相当)が被害に。園内には110本の木があったが、なんと101本からりんごがもぎ取られていたという。
先月26日には、弘前市のりんご園で約4300個(50万円相当)が盗まれた。車で乗り入れたのだろうか、園内には見慣れないタイヤの跡があったという。
さらに先月30日には黒石市のりんご園で約1200個、今月1日には、つがる市のりんご園で約5000個が盗まれていた。
警察に届け出のあったりんごの盗難数はあわせて約1万3000個に上っていて、これは去年の約13倍となっている。
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台風などの影響で9月の市場価格が過去10年で1番の高値となっていた青森県産のりんご。りんご価格の高騰も盗難が相次ぐ理由の一つだと考えられている。
こうした中、県内で最も生産量の多い弘前市では新たな対策を講じていた。夜間でも自動で撮影できる小型カメラを、今月7日から試験的に市内のりんご園数か所に設置したという。
弘前市農業政策課・本宮裕貴課長「おそらく人気がないというか、夜間の犯行なんじゃないかなと。成熟したいいりんごを選んでもぎ取っているという話を聞いたので。おそらく手慣れた者、よく知っている者の犯行なのかなと推測される」
実は、この小型カメラ、13日、私たちが取材した弘前市内の農園に設置されていた。市は警察とも連携して対策を強化していくとしている。
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