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プロジェクションマッピング法要

2018年07月17日

プロジェクションマッピング法要 これこそ本来のお寺の姿?



 気楽には足を踏み入れられない厳かさ。そんなイメージのあるお寺の法要が現代的なテクノロジーを用いてデジタル世代の若者にも親しみやすく変化している。コンピューターグラフィックス(CG)の映像をお堂の空間いっぱいに映し出し、仏の世界観を伝えるのは、東京のとあるお寺。厳かさとは一線を画す異彩の法要だが、実は最新を取り入れることこそ、お寺本来のあり方に近いのだとか。なぜか。

 ■地獄と極楽浄土

 東京の下町・荒川区にある町屋光明寺。その本堂は、内陣よりも参詣席を広くあつらえた、浄土真宗寺院のスタイルにのっとった一般的な造りだ。中央には鎌倉時代初期彫像の阿弥陀如来立像が厳かに安置されている。

 ところが月に1度の「プロジェクションマッピング法要」では、本堂が一転、劇場に変わる。

 関東圏のお盆入り間近の7月10日、町屋光明寺を訪ね、この最新の法要を体験した。

 建物の壁面に映像を投影するのが、プロジェクションマッピング。町屋光明寺で本堂の床や壁をスクリーンに、色を埋め尽くすようにして流すのは、「地獄と極楽浄土」をテーマにした物語だ。まずはのどかな生(せい)を思わせるシーンから。床一面に咲く色とりどりの花々、葉を揺らして壁で波打つ森の木々。鳥のさえずりのBGMも加わって、自然と共存し、人生を謳歌(おうか)するイメージがふくらむ。

 しかし、桃源郷のようなシーンは長く続かない。不穏なカラスの群れが画面を切り裂くように飛び回ったかと思うと、赤々とした地獄の底に滑り落ちていく。煮えたぎるマグマの間に、鬼や亡者がうごめく地獄の光景。阿鼻叫喚の重なる音響と相まった、恐怖の光景におののく。

 開始から5分が経過したころ、そんな地獄を鎮めるように、大洞龍徳(おおほら・たつのり)住職が本堂に登場。光の洪水を浴びながら、ご本尊に向かって読経を始めた。

 経に込められた仏の知恵に触れた鬼や亡者は散り散りに消え、画面は清らかな青へ。最後は、本尊の阿弥陀如来立像が五光をまとい、辺り一面金色の極楽浄土のイメージに導かれた。

 地獄と極楽を映像で巡る、約10分間の心の旅。映像が終わり、光っていないご本尊を目にして初めて、「ああここはお寺だった」とわれに返った。

 ■寺院の務め

 なぜ最新のエンターテインメント技術をお寺で?

素朴な疑問を大洞住職にぶつけた。すると「これが本来のお寺なんですよ」と言って、寺院と民衆の歴史を語りだした。

 「かつてお寺には、その時代の文化や医学などの最新の知識が集まっていました。江戸時代に寺子屋で庶民の子供たちに学問を教えたり、謡いの会を催したように、人を集めて、最新の文化や知識を広めるという役割があったのです」。だからプロジェクションマッピングという新しいテクノロジーで仏の教えをかみくだいて若者に伝えることも、寺院の務めと矛盾しないのだとか。

 しかし最近は、御朱印集めがブーム。一昔前より若者が仏教の教えにも親しんでいるのでは、と聞くと「それでも法話など仏の教えにまで興味を持ってもらうところには至っていません。まずは映像と音楽で仏の世界観を感じて、興味を持っていただければと思っています」

 プロジェクションマッピング法要の上映後の大洞住職の法話も、仏の世界が身近に感じられるよう、分かりやすく工夫されている。

 「何も地獄はあの世だけの話ではありません。いじめ、ストレス、今あるこれは地獄と同じです」とある場面では聞く人の人生に寄り添い、また別のくだりでは「栄華を誇っていた人も、何かにつまずけば地獄に落ちてしまうのです」と日大アメフト問題を例に出して引きつける。この世は地獄…。たちまち仏にすがりたい気持ちになった。

 最後は、阿弥陀如来のご加護を持ち帰れるよう、花びらのように美しい小さなお札「散華(さんげ)」と法要参加の証となる「参詣証」をいただく。散華には鳳凰(ほうおう)などの鮮やかな絵が描かれていて、「若い女性に人気があります」(大洞住職)。

 仕事に家事に慌ただしい毎日の心のよすがに…そう思い、いただいた散華をお財布にそっと忍ばせた。

 プロジェクションマッピング法要の初開催は今年3月。参加者の4割が40歳未満で、「お寺の訪問者としてはとても若い方々に来ていただいている」(同寺広報)という。参加者からは「仏教を題材にしたプロジェクションマッピングは新しくおもしろかった」「新感覚!」「仏の教えに興味が湧いた」などの感想が寄せられている。8月公開予定の次回作はお釈迦様の若かりし頃の物語だという。(文化部 津川綾子)





引用元の記事はこちら(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180716-00000520-san-cul)


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