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ホーキング博士

2018年03月16日

ホーキング氏 AI社会への警告

ホーキング博士は、時空を“超越”した物理学者だった


スティーヴン・ホーキング博士が、3月14日に76歳で亡くなった。地球上で最も有名な物理学者である彼は、実は多くの“間違い”もしている。

ホーキング博士が、「人類の未来」について語っていたこと

彼は一時期、物理学においてあり得ないとされていたにもかかわらず、ブラックホールが情報を破壊すると考えていた。そして6,000光年の彼方にあるX線源のはくちょう座X-1は、ブラックホールではないと考えていた(のちにブラックホールであることが判明した)。彼は宇宙において質量が実在する間接的な原因であるヒッグス粒子を、誰かが発見するだろうとは考えていなかった(欧州原子核研究機構の研究グループが2012年にを発見した)。

だが、ホーキングは多くの点で正しくもあった。彼と物理学者のロジャー・ペンローズは、一般相対性理論に基づく「特異点定理」と呼ばれる概念を説いた。それはいかなる人間も直接的には観測できないような世界だが、ホーキングの精神はそれをつぶさに“見る”ことができるほど特異なものであるか、あるいは想像できたのである。

彼の計算によって、若い宇宙が量子スケールの変動であるインフレーションを通して膨張・成長し、われわれの周囲にある銀河ができあがったことが理解されるようになった。人がいつかほかの銀河を訪問することはないだろうし、また量子の世界がわれわれの技術において、われわれにその存在を示すことはないだろう。だが、ホーキングはその両方を思い描いていた。

また、彼はブラックホールはときに爆発するのだと計算していた。それは最高のヴィジュアル・エフェクトの使い手でさえも描写が困難なイメージだろうが、彼はそれらを人々に説明することもできたのである。

ホーキングは2009年に退任するまで、ケンブリッジ大学のルーカス教授職にあった。これはアイザック・ニュートン、チャールズ・バベッジ、そしてポール・ディラックが就いていたのと同じ地位だ。

そして科学で示される最も難解な概念のひとつに関する卓越した普及者でもあった。1988年の著作『ホーキング、宇宙を語る』は1,000万部以上ものベストセラーになっている。

彼は変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の合併症のために電動車いすに乗り、合成音声によって話した。そして「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」や「新スタートレック」のようなテレビドラマに出演し、マニアックな発言をしたりもしていた。

そんなイメージは、20世紀後半の「科学者」像を決定づけた。おそらく、アルベルト・アインシュタインの乱れた髪型とドイツ訛りとが、20世紀前半のそれを決定づけたのと同じくらいに。それはホーキングが聡明な人物であるだけでなく、ユーモアを兼ね備えた人物だっらからだろう。あるいは少なくとも茶目っ気があったのだ。

ホーキングいわく、彼は問題の多い学生だったのだという。1963年に21歳でALSであると診断され、彼はあと2年しか生きられないと考えた。だが、病気はそれほど早く進行しなかった。

そのとき、ホーキングは次のように述べたという。「驚くことに、わたしはこれまで以上に現在の生活を楽しんでいることに気づきました。わたしは自分の研究を進め始めたのです」

車椅子の使用によって移動速度が制限されていながら、彼は研究に向かって危険なまでに加速した。彼はタイムトラヴェラーのためのパーティーを開くことによって、タイムトラヴェルが存在しないことを証明したことがある。なぜなら、そのパーティーが終わるまで招待状を出さなかったからだ。結局のところ、誰も来なかったのである[編註:タイムトラヴェラーなら、パーティー終了後に招待状を受け取っても過去にさかのぼって出席できる、という理屈だった]。


ホーキングは科学のアイコンであると同時に、文化のアイコンにもなった。警察は一時期、彼の後妻とかつての看護師が彼を虐待していたのではないかと疑っていた。その疑惑はテレビドラマ「LAW & ORDER:犯罪心理捜査班」のエピソードの原型となった。彼はアニメ「ザ・シンプソンズ」に本人役で出演し、「ファミリー・ガイ」と「サウスパーク」に登場した。伝記映画ではエディ・レッドメインがホーキングを演じた。

近年では彼は宇宙の深奥から人類の未来にまで目を向け、知性をもつコンピューターの危険性をイーロン・マスクとともに警告していた。「起こりうる危険に対して準備し、それを避ける方法を学ばない限り、人工知能(AI)はわたしたちの文明の歴史における最悪の事象になりえます」と、ホーキングは昨年の講演で述べている。

『WIRED』UK版のインタヴューでは、「強力な自律兵器や少数者が多数を抑圧する新たな手法のような危険を、AIはもたらします。AIはわれわれの経済に大きな混乱をもたらすかもしれません」と語っている。「いつの日か、誰かが自己複製するAIをつくりだすでしょう。それは人間の知性を上回り、新たな形態の生命になるはずです」

彼は2016年、AI、気候変動、その他の(回避可能な)災害によって、人類にはおよそ1,000年しか残されていないと考えていると述べた。そして昨年になって、その予測をわずか100年にまで短縮した。「われわれがが自らの道を変化させない限り」──。そう彼は警告したのだ。

そんな宇宙論から踏み出した異例の懸念を、一笑に付すことは簡単だろう。特異点とは何であるのかを定義づけてきた人物が、なぜ人々にシリコンヴァレー発の“まがいもの”のシンギュラリティーへの注意を呼びかけるのだろうか?

もしかするとホーキングは、ブラックホールに関して間違っていたのと同じように、今回も見誤っているのかもしれない。だが、彼は常に誰も見ることができなかった世界を見てきた。彼が人々に説明するまでは、誰も見ることのできなかった世界を。





引用元の記事はこちら(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180315-00010001-wired-sctch)


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